2007年 06月 22日 ( 1 )

ネズミ掃除

「今夜、ネズミ掃除」

それだけ書かれた紙をレンブラントは持っていた。
船長室のベッドの上にいた白と黒の猫は
クロガネーゼがその紙の内容を確認し終えるのを待っていたかのように
一声なくと船長室から出て行った。

もちろん、レンブラントが船倉のネズミを退治するわけではない。
猫に退治はできても、その予定をメモによって知らせたりはできまい。

クロガネーゼ(以下、ク)「やれやれ、またか・・・」

この船には船員として現在のところ35人乗っている。
他の船乗りから比べると小さな所帯だ。
しかし、一枚岩とは言えない。
前回のような反乱めいた不満があったりというのは
当然発生するが、そのような偶発めいたものではなく、
最初から「ネズミ」として入り込む者もいるのだ。
それは政府からの密命をおびた者であったり、
酒場娘に横恋慕した者から依頼を受けた者だったり、様々だ。

ク「仮に私がいなくなったとて、自分に振り向くとは限るまいに・・・」

・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・夜半。

音もなく、静かに扉が開く。
ベッドには入っているが、クロガネーゼは眠ってはいない。
報告を待っていたのだ。
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ク「いつもすまないな。そこに秘蔵のシェリーがある。持って行ってくれ。」

ジョニー「・・・いただきやす」

音もなく、扉が閉まる。
足音もなく、気配が消えたことを
確認するとクロガネーゼは眠る事にした。

コーネリアやエマではできない仕事も存在する。
船乗りといえども綺麗事だけではないのだ。
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by busk01 | 2007-06-22 00:40