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ないたあかおに

クロガネーゼ(以下、ク)「・・・このあたりか?」

クロガネーゼはアムステルダムの依頼仲介人から
妙な依頼を受けていた。
ただ、「カレーの郊外の屋敷で待つ」とだけ書かれた手紙の件だ。

ク「大体、一方的な手紙で依頼が成り立つのか?あそこのギルドはどうなってやがるんだ?第一、報酬の500Dだってどこからでるんだ?」

ジョニー(以下、ジ)「じゃあ、受けなけりゃよかったんじゃあねえですかい?なんでまた…」

ク「好奇心だ。」

カレーの郊外を探し回ること1時間ほど、問題の屋敷を見つけることが出来た。

ジ「これが、屋敷ですかい?これじゃあ廃墟でさぁ。やっぱり、からかわれたんじゃねえですかい?」

ク「む!待て。立て札?いや、張り紙があるようだぞ?」

ジ「? 『どなたでもお越しください。おいしいお茶とお菓子もあります。』とでも、書いてるんですかい?」
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ク「内容からすると、娘に礼儀作法を教えてくれってことだろうが、体のいい厄介払いじゃないのか?世の中にはひでえ親もいるもんだ。」

ジ「どうするんでさぁ?」

ク「どうもこうもあるか!女性の不幸を見過ごすわけにはいかんだろう!教会で習わなかったのか?女性が人間に知恵を授けてくれたんだぞ」

ジ「(船長は女性に関する話はいい感じにねじまげる癖があるからなぁ・・・)」

すぐさまセビリアにとってかえすジョニーの片思い号。
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挨拶もそっちのけで、解雇、そして雇用。
慌しい政権交代。
さらば、名も知らぬ執事よ、こんにちはソフィア。
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ク「ソフィア、なにかわからないことがあったら遠慮なくナターシャに聞きなさい。彼女は育ちがいいから、君もいい勉強になるだろう。」

ソフィア「はい。わかりました~。」

クロガネーゼはナターシャの肩に手を置き、
ナターシャの細い手をとりながら言う。

ク「ナターシャ、そういうわけだから君にお願いしたい。コーネリアはがさつだし、エマは…、得体が知れんからな。」

ナターシャ(以下、ナ)「そんな!私は男として育てられたも同然で淑女の作法など教えられませんよ!?」

ク「今の君は十分に女らしい立派な淑女だよ。」

ナ「そ、それは船長のくれたこの衣装のせいで、・・・もう!知りませんからね!」

『随分、丸い反応になった。
前は融通の利かない堅苦しいばかりの娘だったが・・・。
ソフィアと接していれば、お互いに成長することもあろう』
クロガネーゼはそう考えると同時に、
父親になったような気分に囚われうんざりしていた。

ク「まったく。これじゃあ、はやく年をとってしまうぜ」
by busk01 | 2006-12-22 21:38
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