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いけない課外授業

東南アジアから帰ってきたクロガネーゼ一行は
ヨーロッパ巡航中、異様な光景に出会った。

クロガネーゼ(以下、ク)「なんで、ピサなんぞにこんなに人がいるんだよ。」

ここはピサ。
観光地ではあるにしても、この船、この船乗りの数は多すぎる。

ク「おいおい、カタギばかりじゃねえぞ。落ちつかねえな。」

エマ(以下、エ)「そうですね~。この雰囲気はおかしいですね~。」

ク「まったくだ。風呂にも入らねえやつらは船に乗ってるのがお似合いだ。
  陸なんかに上がって教会にでも通うつもりか。」

エ「船長、ほら、あそこに人だかりがありますよ~。」

クロガネーゼはその人だかりの中心にいるお役人風の男に話を聞いてみることにした。
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エ「どうでした~?」

ク「んー、かいつまんで話すと試験を受けて、成績次第で
美女集団から素敵な賞品がもらえるらしい。
養成学校の課外授業ということだそうだ。」

エ「怪しいぐらいにうまい話ですね~」

ク「確かにそうだが、船乗り、冒険者としてうまい話を見逃すわけにもいかんだろう。」

ジョニー(以下、ジ)「船長~!」

酒場の方からジョニーが走ってくる。
人が多いのに大きな声で呼びやがって。

ジ「船長!ちょっと小耳に挟んだんでやすが、今、試験の結果次第で
  豪華賞品がもらえるっていう、うまい話があるらしいでやすぜ。
  あっしも参加して、フランシーヌちゃんにプレゼントを・・・」

ク「待て!
  そんなうまい話は必ず落とし穴がある。
  今までに経験してきた事が身についてないのか、お前は!
  そんな調子だといつ命を落としてもおかしくないぞ。」

ジ「ひぃ、すいませんでやす。あっし、あっしが間違ってやした・・・」

ク「んむ。とりあえず、いつでも出発できるよう準備を怠るな。
  しかし、長旅の疲れを癒すために少々ピサに滞在するから
  船員達にそう伝えておけ。宿直以外は飲酒も許可する。」

ジ「さすが船長。慎重なうえに寛大でやす。わかりやした。」

ジョニーの去り行く背中を見送るクロガネーゼとエマ。

ク「さぁ、試験とやらに行ってみるか、エマ。」

<つづく>
by busk01 | 2008-04-24 00:44
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