友情?憧れ?それとも・・・

第一印象は、いけすかない男だった。
d0002887_23184037.jpg

何度か仕事の報告を頼んでいたせいか
名前を覚えたようだ。
目の前の食事にとりかかりたいのは山々だったが、
いけすかないとはいえ、日頃世話になっているのだ、
ないがしろにはできない。
クロガネーゼはラウルにも酒を飲むよう勧めた。

ラウル(以下、ラ)「海の、船の話を聞かせてくれないか?」

クロガネーゼ(以下、ク)「…いいだろう。」

食事の邪魔をされた形のクロガネーゼは
内心腹を立てていたが、
ラウルは話すこと一つ一つに真剣にうなずいていたし、
元船乗りだったらしく余計な説明を必要とすることなく、
話は思いのほか多岐にわたった。
ラウルが職業柄、聞き上手なのもあっただろう。
d0002887_23311261.jpg

ラウルはどちらかというと線が細いため、
クロガネーゼにはこの青年が船乗りに向いているとは思えなかった。
航海の重労働にも不向きだろうし、
荒くれ者の船乗りどもをまとめるのも難しいだろう。
クロガネーゼは、彼が船を降りた理由もその辺りだろうと
自分で納得していた。
d0002887_23351654.jpg

だから、彼がそう言った時も
職業柄、口にしたセリフだと思っていた。

クロガネーゼが発見した美術品にまで話は及び、
結構な時間話し込んでいたことに気付いたのは、
本格的な夜の帳が下りてきた頃だった。

ク「少し話し過ぎたな。続きはまた今度だ。部下達が待ってる。」

最初建前で話しはじめたクロガネーゼだったが、
これは本音だった。
彼の目はクロガネーゼたちと同じように
まだ海を見ているようだったからだ。
d0002887_23404353.jpg

席を立ちかけたクロガネーゼに、
唐突にラウルが発した質問は意外なものだった。

ク「…糸の切れた凧は凧とは呼べまい。帰る場所、帰りたい場所があるからこそ、男は海に出れるんだと俺はそう思う。」

黙ってうつむいたままのラウルを背に
クロガネーゼはジョニーの片思い号へと向かった。

ク「(ラウル…、そういうことは自分で答えを出してその選択を信じるしかないんだよ…)」



ごめん、みんな。落とせなかったよwww


[PR]
by busk01 | 2006-09-26 23:57
<< 「アハハ、待て待てー」「つかま... クロガネーゼとナターシャの船上... >>