クロガネーゼとナターシャの船上ロマンス 第二回

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クロガネーゼ(以下、ク)「なんだ?どういう風の吹き回しだ?気持ち悪いな。」

ジョニー(以下、ジ)「いやぁ、あっしらもいちいち船長に指示されなきゃなにもできねえような駆け出しじゃねえってことでさぁ。たまには休んでくだせぇ。」

ク「殊勝な心がけだ。じゃあ、お言葉とご好意に甘えて休憩させてもらうとするかね。ナターシャ!」

ナターシャ(以下、ナ)「はい!」

クロガネーゼはナターシャに手招きすると、船長室へ向かっていく。

ジ「!?ちょ、船長!なに、ナターシャさん呼んでるんでさぁ!休憩ってどういうことでさぁ!!」

ジョニーの戸惑い交じりの怒声を背に
ナターシャも追いかけるように船長室の扉をくぐった。

ク「どこにでも腰かけてくれ、って言っても椅子は一脚か。この椅子に座ってくれ。」

クロガネーゼはドアの前に直立しているナターシャに椅子を勧めながら
自分はベッドに腰かけた。

ナ「いえ!私はここで構いません。ご用件はなんでしょうか?」

ク「そう堅くなるな。落ち着いて話せないだろ?まず、座ってくれ。」

ナ「そんな!船長が椅子に座っておられないのに、私が椅子に座るなんてできません。」

ク「じゃあ、ここだな。」

クロガネーゼはベッドの自分の隣をポンポンと叩きながら微笑んだ。
諦めたのか、うつむきかげんのナターシャがおずおずと隣に腰掛ける。

ク「さて…、もうこの船には慣れたか?なにか問題はないか?」

ナ「船長、お気遣いはありがたいのですが、私もこの船の一員です。特別扱いはなさらないでください。」

ク「特別扱い?こうして二人で話すことか?心配するな、これでも船長だ。船員一人ずつ全員の意見はこうやって聞いておかないと、いい航海はできないじゃないか。」

ナ「さすがです!船長」

ク「当たり前のことだ。だが、これは船員同士には内緒にしてある。じゃないと、正直な意見が聞けなかったり、甘えになったりしてしまうからな。だから、ナターシャも黙ってるんだぞ。」

ナ「はい。了解しました。」

ク「(コーネリアにバレでもしたら、事だからな)で、なにかあるか?」

ナ「ジョニーさんとかみなさんよくしてくれますし、船の仕事にも少し慣れました。軍の仕事とは少し違うので戸惑いもしましたが…。」

ク「そうか。それはよかった。じゃあ、今度は私から質問をしようか。ナターシャの服についてなんだが…」

隣にちょこんと座るナターシャを見つめがなら、
クロガネーゼは右手でシーツの下の麻袋を探った。

ナ「船長!服のことなら、お願いがあります!」

ク「な、なんだ?なんでも言ってみてくれ。」

ナ「厚かましいお願いなんですけど、私、鎧が欲しいんです。船長をお守りできるような。」

ク「わかった。考えておこう。考えておくんだが、ひとまず…」

ナ「よかった。お願いします。では、私はこれで!」

ナターシャは勢いよく立ち上がり、クロガネーゼに深々と頭を下げると
充実した顔で船長室を出て行った。
取り残されたクロガネーゼは渡し損ねた麻袋を弄んでいる。

ク「フッ、まっすぐな娘だ。ま、急ぐこともあるまい。」

クロガネーゼが船長室を出ると、妙に甲板が騒がしい。
上機嫌のナターシャがなにか船員達になにか言っているようだ。
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船員達「おフランス!おフランス!」

ク「なんだよ、その喜び方は?俺が振舞う時ももっと喜べよ。」

ナ「あら、船長もご一緒していただけるでしょ?」

ク「ありがたく、ご相伴にあずかりましょう。」

静かな海を切り裂くように一隻の騒がしい船は
月明かりの下、西へと進んでいた。
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by busk01 | 2006-09-25 00:23
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