不穏な空気

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北海の暗い空の下、音を立てて甲板をコーネリアが歩いてくる。

コーネリア(以下、コ)「ネーデルランドの船乗りも堕ちたもんだよ!」

見れば向こうでジョニーがオールで殴られ気を失っている。
コーネリアさんはご機嫌ななめのようだ。
船長としてこれ以上犠牲を増やすわけにはいかない。

クロガネーゼ(以下、ク)「いや、コーネリア。事態はもう少し複雑かも知れんぞ。」

コ「どういうことだい?」

コーネリアは手に持ったオールを肩に担ぎながら聞き返す。
しかし、帆船なのにどこからオールなんか持ち出しているんだろう・・・

ク「もともとイスパニアとネーデルランドの仲は険悪だ。それに加えて、今度の新大陸進出だ。イスパニアとネーデルランドでなくても、船乗り同士の仲が維持できるとは思えんさ。誰もが出し抜こうとしてる。」

コ「そうか・・・。あたいはもっと船乗り同士仲良くできたらと思うよ。」

ク「そうだな。そうありたいしそうあるべきだとは思うが、そう信じるコーネリアが傷つくことは避けて欲しい。コーネリアが無理に交信する必要はないんだから。」

コ「・・・船長。ありがとう。」

コーネリアは自室に向かって歩いていった。
幾分、肩は落ちていたがもう怒ってはいないようだ。

ク「ふーぅ、一件落着。」

「じゃあ、次の件にいきましょうか~」

いつの間にか背後を取られていた。
エマだ。

エマ(以下、エ)「結論から言うと、使いすぎです~。クリスティナさんはリスボンの街役人ではないのですから、過度の投資は困ります~」

ク「あ、いや、その・・・、それは、つい、引き下がれなくなってだな、えと・・・許してくれ」

エ「別にいいんですよ~。ただし、謝るのはコーネリアさんにしてもらおうかしら~?」

ク「ちょ、待て待て!そうだ、エマ!この香水をあげよう。ほら、いい香りだ。な、次の港ではエマの買出しも手伝おう。そうだ、それがよいね。そうしよう!」

エ「クンクン、・・・これ、クリスティナさんと同じ香り・・・」

ク「ウッ・・・、ごめんなさい、ごめんなさい。」

エ「別にいいんですよ~。謝るのはコーネリアさんにしてもらうわけですし~」

ク「勘弁してくれよ~」

マストの影・・・
ジョニー「(いい薬でやすね)」

曇り空なれども、波は穏やか。航海は順調である。
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by busk01 | 2006-08-22 01:50
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