エマにはレースのハンカチを贈りたかった

「ジョニーの片思い号」の甲板。
比較的穏やかな地中海の日差しが
甲板を所在なげに歩くエマの足元に短い影を作っていた。

クロガネーゼ(以下、ク)「・・・エマ」

エマ(以下、エ)「・・・え?」

見れば船長室の扉を薄く開け、手招きしているクロガネーゼがいた。

ク「エマ、これをやろう。着てみてくれ。」

エ「わー、着るってことは服ですか~?わかりました~」

言うや否や、エマはクロガネーゼの手をとると、
船長室から引っ張り出し、入れ替わりに中に入ると鍵を閉めてしまった。

ク「え?ちょっ・・・まいったなぁ。ま、いっか」

ジョニーや船員たちが忙しく走り回っている。
地中海は比較的穏やかだが、その分風を捕まえ速く走るには苦労があるのだ。

エ「お待たせしました~」
d0002887_2354178.jpg

その場でゆっくりと回ってみせるエマ。
d0002887_23553424.jpg

ク「似合うよ、エマ。この船のお姫さまだ。」

エ「ありがとうございます~。これ、クレオパトラの胸飾りですよね~。高いもんじゃないんですか~?船のお金ないっていうのに~。無駄遣いはめ~ですよ~?」

ク「ああ、これは依頼で手に入れたものだから。それに、エマにプレゼントするのは無駄遣いなんかじゃないよ。」

エ「えへへ~。でも、無駄遣いはめ~ですからね。」

そう言いながらも、スキップしながら甲板を去っていくエマ。
船員たちの手が、動きが止まっている。

しかし、一人甲板を走ってきた者がいる。コーネリアだ。

コーネリア(以下、コ)「船長!ちょっと!」

ク「ちょ・・・おい!」

船長室に引っ張り込まれるクロガネーゼ。
体勢を立て直しながら振り返ると、ドアをふさぐようにコーネリアが立っている。

コ「どういうことだい?船長。説明してもらおうか。」

ク「なにがだい?コーネリア。副官にプレゼントするのがいけないことかな?」

コ「だって、その…、あたいと、色違いの、お、お揃いじゃないか!」

コーネリアは自分のハトシェプストの胸飾りの裾を見ながら問い詰めた。
もちろん、私のプレゼントしたものだ。

ク「私は動きやすく過ごしやすく、かつ似合うものをプレゼントしたつもりだよ。」

コ「えっと、その・・・あたいのと違って白くて、その・・・きれいで、かわいい

ク「あっはっはっはっは。」

コ「な、なにがおかしいんだい!」

ク「さっきも言ったろう、似合うものをプレゼントするって。今、コーネリアの着ているのはシックでセクシーな魅力を持ってないと着れないだろう?ちがうか?」

コ「えっと、その・・・。もう!わかったよ!船長はいつだって勝手なんだからっ」

ク「似合うよ、コーネリア。」

コ「そうかい?」

そう言いながら、クロガネーゼの方を振り返ったコーネリアだったが、
おかしい。こちらを見ていない。ベッドの方を見ているのか?

!!

エマの奴、自分の服脱ぎっぱなしでいきやがった!

コ「船長!あんたってひとは!見損なったよ!」

ク「待て、誤解だ!おい、待・・・ごほっ」

コーネリアの投げつけた椅子が胸に直撃。息ができなくなる。
叩きつけるように閉められたドアを見つめながらクロガネーゼは途方に暮れていた。

業務連絡:リンク情報を更新しました。
[PR]
by busk01 | 2006-07-17 00:27
<< 危険なランデヴー♪ 新しい仲間 >>